1970年代半ばから1990年代にかけて一気に普及したトタン外壁。2022年の現在でもリフォームしていないトタン外壁の住宅も少なくありません。そこで、本記事ではトタン外壁の張り方をDIYで行う方法について詳しく解説します。トタン外壁の住宅にお住まいの方は、ぜひ参考にしてください。
トタン外壁の特徴
トタンとは、鉄板に亜鉛メッキを施した建材のことです。防食作用がある亜鉛で表面を覆っているため、普通の鉄板よりも錆びに強い特性があります。現在の金属外壁の主流となっている「ガルバリウム鋼板」の先発品といえます。重量が軽く耐震性に優れ、価格が安いのも魅力です。メンテナンスを怠らなければ15〜20年ほど耐久することから、100年以上も前から外壁や屋根に使われています。
トタン外壁の種類
トタン外壁にはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、適切な種類を選びましょう。
- 波トタン: 波形のトタンで、波の大きさにより「大波」「小波」に分類されます。大波は工場、小波は一般住宅に使用されます。費用は700~1,000円/1平方メートルで、施工費用を抑えられますが、横からの圧力に弱いです。
- 角波トタン: 角ばった波形のトタンで、工場や倉庫に使用されます。費用は700~1,300円/1平方メートルで、横からの圧力に強く、耐久性が高いです。
- リブ波トタン: 両側が山折り成型された細長い形状のトタンで、和風住宅に多く使用されます。費用は900~1,700円/1平方メートルで、雨漏りが起こりにくい構造とデザイン性の高さが特徴です。
- スパンドレルトタン: 固定するビスや釘が見えない特殊な形状のトタンで、看板やエントランスの天井などに使用されます。費用は1,500~1,900円/1平方メートルで、雨漏りが起こりにくい構造と強度に優れています。
トタン外壁の塗装メンテナンス
トタンは普通の鉄板よりも錆びにくい特性がありますが、雨風や紫外線の影響を受け続ければ劣化します。塗料の剥がれや色あせ、錆びや苔の発生など、軽度の劣化であれば塗装でメンテナンス可能です。塗装メンテナンスにかかる費用は、30坪の住宅で70万〜100万円ほど。頻度は7〜10年に一度です。
以下のような劣化が見られた場合は、年数関係なく塗装をおすすめします。
- チョーキング現象が起きている
- 塗料の変色や退色がみられる
- 塗膜の剥がれやひび割れ、膨れが起きている
- 軽微の錆びや苔、カビが発生している
トタン外壁の張り替えDIY
塗装メンテナンスで対応できないほど激しく劣化している場合は、古いトタン外壁を撤去して新しい外壁材に交換する「張り替え」が必要です。張り替えリフォームにかかる費用は、30坪住宅で150万〜200万円ほどです。以下のような劣化が見られた場合は、張り替えをするサインです。
- 穴が開いている、変形している
- 錆びが広がっている、錆びによって端が崩れている
- 寿命(耐用年数)を超えている
張り替え手順
- 準備: 作業に必要な道具と材料を準備します。トタン板、ビス、シーリング材、防水シート、ハンマー、電動ドライバー、メジャー、レベル、保護具(手袋、ゴーグルなど)を用意しましょう。
- 古いトタンの撤去: 古いトタンを慎重に取り外します。ビスや釘を外し、トタン板を一枚ずつ取り除きます。腐食が進んでいる場合は特に注意して作業しましょう。
- 下地のチェックと修正: トタンを撤去した後、下地の状態を確認します。腐食や劣化がある場合は、下地材を補修します。防水シートを新しく貼り付けて、下地を整えます。
- 新しいトタンの取り付け: 新しいトタン板を下から順に取り付けます。ビスでしっかりと固定し、隙間がないように注意します。トタン板の重ね代を一定に保ちながら、水平を保って取り付けましょう。
- 仕上げ: トタンの端や継ぎ目にシーリング材を塗布し、雨水の侵入を防ぎます。全体の仕上がりを確認し、必要に応じて調整します。
DIYの注意点
トタン外壁の張り替えDIYには、いくつかの注意点があります。まず、作業には高所作業が含まれるため、安全対策をしっかりと行いましょう。また、トタンの取り扱いや固定には専門知識が必要です。不安な場合は専門業者に相談することをおすすめします。
まとめ
トタン外壁の張り替えDIYは、手間と時間がかかりますが、自分で行うことで費用を節約できます。この記事を参考に、トタン外壁のリフォームに挑戦してみてください。ただし、安全第一で作業を進め、必要に応じて専門業者の力を借りることも検討しましょう。