今回のお問い合わせは、木造３階建て住宅のお客様からで、「１階・２階から雨漏りが発生した」ので見てほしい」とのことでした。
お客様の雨漏りしている外壁の素材は窯業系サイディングでした。
こちらのお宅の外壁は「窯業系サイディング」と言われる、窯(かま)の中で高熱処理されたセメントや繊維質などを原料とした板状の外壁材を使っています。
この材料は、コストパフォーマンスが良く（価格が安く）、デザインもたくさんのものから選択することができます。
また、性能的に、耐火性には優れていますが、材料自体の防水性はほとんどなく、材料の上に塗られる塗料によって防水性が変わってきます。
このため、窯業系サイディングの外壁の場合、建ててから15年程度、何もメンテナンスをしないまま経過してしまうと、どこかしら不具合が生じてくるケースが多いです。
雨漏りの原因は、外壁に入っていた多数のヒビによるものでした
3階建てで１階、２階が雨漏りということでしたので、雨漏りの原因は壁の可能性が高いということで、調査させていただいた結果、このお客様の建物の壁材に多数のクラックが入っていることが分かりました。
クラックとは外壁に現れるヒビ割れのことですが、一口にヒビ割れといっても様々な症状があり、塗膜や外壁材そのものが年月を経ることで劣化してヒビ割れが起こる場合もあれば、外壁材の特性によるヒビ割れ、施工工程のミスや手抜きなどで起こるヒビ割れ、また地震などの外的要因などによるヒビ割れ等、発生原因はさまざまです。
今回の修理内容は、外壁のカバー工法となりました。
今回のご相談内容としては。お客様が新築時の建て方に不安があるとおっしゃっていたため、建物の基盤となる構造体から直すことや、費用も含めてお客様と何度も協議を重ねました。
構造体からいじるとなると、価格もそれなりのかかくになってきますし、下手をすると建て直しているに近いくらいの工事になります。
最終的に「さすがに構造体から直すのは現実的ではない」との結論に至り、外壁全体をカバーする工事をする、ということになりました。
外壁をカバーする材料としては、金属サイディング以外に、もともと使われていた窯業系サイディングや樹脂系サイディング、木質系サイディング等様々あります。
このお客様の場合、価格をそこまで出せない、ということで、樹脂系サイディングは若干割高のため、選択肢から外れ、木質系サイディングはメンテナンスが心配ということで選択肢から外れました。
残った窯業系サイディングと金属系サイディングを比べると、
「圧倒的に金属系サイディングが軽いので不安がある建物そのものへの負担も少ない」
ということ、
「今後のメンテナンスも金属系サイディングのほうがそこまで神経質にならずに済む」
ということ、で、最終的に金属系サイディングでの工事となったのです。
材料にもよりますが、窯業系サイディングは金属系サイディングの４倍程度の重さになります。それなりの大きさの建物ですと、1000キロ、2000キロの窯業系サイディングが使われるのか、それとも250キロ～500キロくらいの金属系サイディングが使われるのか、というような感じになります。
火災保険のおかげでお客様の費用負担が抑えられました
また、このひび割れの原因の一部が自然災害によるものだと考えられたので、火災保険を申請したところ、保険が下りてきました。
自然災害の部分はこの火災保険のお金を利用して工事を進めることができたため、お客様の費用負担を大幅に減らすことができました。
こちらが施工後のお写真です。
外壁のビフォー＆アフターは使う塗料や色味によって本当に雰囲気が変わります。
長年悩まれていた雨漏りも改善して、まるで最近建ったばかりの建物かのように重厚感のある美しい仕上がりになりました。
ダメージが深刻になる前にご相談ください
リフォーム、修繕においては、やはり費用的な制約等もあり、妥協せざるを得ない部分も多々出てくるものですが、今回のように火災保険が使用できそうな部分は火災保険を併用するなど、お客様のより納得のいく形に近づけるよう、いつも様々な提案をさせていただいています。
一筋縄ではいかない案件も、雨漏りに関する知識・経験でご納得いく解決案を導きだします！
これから紫外線が強くなる季節、外壁のダメージがより深刻になる前に一度ご相談頂き現場調査を行わせて頂ければと思います。
まずはお気軽にご相談ください。
